「N4合格」がなぜ現場では通じないのか

前回、「交差点」に信号機を設置する話をしました。しかし現場の管理者が最初に向き合わなければならない信号こそ、実は言語そのものです。そしてこの信号は、思っている以上に読み解くのが難しいのです。

「察してくれるはず」が現場で毒になる理由

前回の摩擦③には、掘り下げる価値のある一場面がありました。日本人の上司が「この案は、ちょっと難しいかもしれません」と伝えたのに対し、外国人スタッフはそのまま作業を進めてしまい、結局トラブルになったという話です。振り返ってみると、双方とも釈然としない思いを抱えています。上司は「はっきり伝えたはずだ」と感じ、スタッフは「明確に断られてはいない」と感じている。これはどちらかの理解力の問題ではなく、二人がそれぞれ違う「初期設定」に頼っていたということです。この初期設定こそが、高コンテクスト文化と呼ばれるものです。

外国人スタッフと向き合う現場の五つの摩擦

前回はマクロな数字を取り上げました。今回は工場や建設現場に話を戻します。現場の管理者が外国人スタッフと向き合う中で日々ぶつかる、代表的な五つの摩擦です。この五つの場面を並べてみると、共通した形が見えてきます。どちらも嘘をついているわけではなく、それぞれが正しいと信じるルールに従って行動している。ただ、そのルールが一度も表に出されたことがない――そして、そのずれは往々にして国籍や文化的背景の境界線に沿って現れます。

人が辞めることが倒産の引き金になる時代

工場や倉庫、建設現場で部下をまとめる立場の方は、経済ニュースをじっくり読む余裕などないと思います。それでも、二分だけ目を通しておいてほしい数字があります。これは「日本経済がどうなっているか」ではなく、「来年の今頃、あなたの現場に人が足りているかどうか」を語る数字だからです。