最高値更新が続いても、長期投資をやめない理由

最高値更新が続いても、長期投資をやめない理由
最高値更新が続いても、長期投資をやめない
最高値更新が続いても、長期投資をやめない理由
日経平均が65,000円を超え、ダウ平均も50,000ドル台を維持しています。連日のように「また最高値を更新」というニュースが流れると、「今から投資して大丈夫なのか」と不安になる方も多いかもしれません。でも、少し立ち止まって過去のデータを見てみると、そこには意外と落ち着ける事実があります。

「高値圏」は、いつの時代も存在していた

株式市場の歴史を振り返ると、「今は高すぎる」という声は何十年も前から繰り返されてきました。1990年代後半のITバブル前夜も、2010年代の量的緩和相場でも、同じような議論がありました。

しかし長期でチャートを見ると、市場はその「高値」を新たな起点にしながら成長を続けてきたことがわかります。もちろん途中には大きな下落もありました。ただ、その下落から回復するたびに、以前の「高値」は中間地点になっていきました。

日経平均(2025年6月)
65,000円
2024年初比 +約30%
NYダウ(2025年6月)
50,000ドル台
5年前比 +約70%
S&P500 年平均リターン
約10%
過去50年の実績(名目)

もちろん、過去の実績が将来を保証するわけではありません。ただ、「高値だから買えない」という感覚は、データで見ると必ずしも正しくないことがわかります。

株価の上昇は「バブル」だけではない

最近の日本株高を語るとき、円安効果や海外投資家の資金流入ばかりが注目されます。確かにそれらは無視できない要因です。しかし同時に、企業の稼ぐ力の改善も見逃せません。

日経平均の長期推移(概念図)
バブル崩壊後の低迷期を経て、構造的な回復が続いている
1990年から2025年にかけての日経平均の概念的な推移。バブル崩壊後は低迷が続いたが、2013年以降に回復し、2024年以降に65000円台へ。
日経平均(概念値) トレンドライン

東証が推し進めてきたPBR1倍割れ企業への改善要求、ROEを意識した経営へのシフト、株主還元の拡大——こうした変化が、ゆっくりと日本企業の「稼ぐ力」を底上げしてきました。バブル期の熱狂とは、構造が少し違うのです。

ポイント:株価は「期待」だけで動くわけではありません。企業収益の拡大や自己資本の効率改善が伴っている場合、その株価水準には一定の合理性があります。今の上昇がどちらの割合が大きいかは慎重に見る必要がありますが、「純粋なバブル」とは言い切れません。

「今は高すぎる」という直感が、投資の機会を奪う

行動経済学の研究では、人は損失に対して利益の約2倍の感情的反応を示すことが知られています(損失回避バイアス)。これが「高値での買い控え」という行動につながります。

「高値時の投資」vs「タイミングを待つ投資」の比較(シミュレーション)
毎月定額積立(日経平均連動・年率5%想定)、20年間・月3万円の場合
毎月積み立てを続けた場合と、3年様子見してから始めた場合の資産推移比較。
すぐに積立開始(20年) 3年様子見してから開始(17年) 元本のみ

「もう少し下がったら始めよう」と待つあいだにも、時間という資産は使われています。積立投資の最大の味方は「時間」であり、タイミングを読もうとするほどその恩恵が薄れていきます。

それでも「高値掴み」の不安は正常です

とはいえ、高値圏での投資に不安を感じること自体は、とても自然な感覚です。その感覚を否定する必要はありません。大切なのは、その不安に振り回されずに、自分に合ったペースで続けることです。

  • 一度に全額投資するのではなく、分散して少しずつ買い付けていく(ドルコスト平均法)
  • 投資額は「生活に支障のない余剰資金」に限定する
  • 下落しても動じないよう、長期(10年以上)を前提にした資産配分を考える
  • 個別株よりも分散の効いたインデックスファンドを軸に据える
  • 為替リスクも含め、国内・海外のバランスを意識する

これらは「高値だから」というよりも、どんな局面でも有効な基本原則です。市場の高値や安値を正確に読める人は、プロの投資家にもほとんどいません。それよりも、ルールを決めて淡々と続けることのほうが、長期的には有効であることが多いです。