
オンライン会議が終わったあと、内容を NotebookLM に整理してもらおうとしたら、アップロードの段階でつまずいた——という経験はないでしょうか。NotebookLM の公式ヘルプにも明記されている通り、1つのファイルのアップロード上限は200MBです。1時間程度の高画質な会議録画であれば、これを超えてしまうことは珍しくありません。ただ、解決策自体は難しくありません。AIが会議内容を整理する際に必要なのは音声であって映像ではないので、音声だけを取り出せば、元の動画の10分の1、あるいはそれ以下のサイズに収まります。
この記事では、Windows環境で数秒あれば終わる、ソフトのインストールも不要な音声抽出の方法をまとめておきます。
なぜ音声抽出で解決できるのか
会議の価値は、基本的に発言内容にあります。音声だけを取り出すことには、次の3つの利点があります。
- サイズが大幅に小さくなる:抽出した
.m4aや.mp3は、元の動画に比べてごく一部の容量で済み、200MB以下に収めやすくなります。 - 情報が欠けない:音声はそのまま保持されるので、NotebookLM側の認識や要約の精度には影響しません。
- 安心して扱える:社内の会議録画を出所のはっきりしないオンライン変換サイトにアップロードする必要がなく、ローカルで完結します。
核となるツール:FFmpeg
FFmpegは、音声・映像処理の分野で最も広く使われているオープンソースのコマンドラインツールです。軽量で広告も表示されず、処理も高速です。今回使うのは、次の2つのオプションだけです。
-vnは映像を除去する指定、-c:a copyは音声ストリームをそのままコピーし、再エンコードしないという指定です。つまり動画から音声を「剥がす」だけの処理なので、速度が速く、音質の劣化もありません。
Windowsでのインストール不要な操作手順
システムの環境変数を設定する必要はありません。以下の4ステップで完了します。
| 手順 | 内容 |
|---|---|
| 1. ツールの入手 | FFmpegのWindows版を入手し、解凍後の bin フォルダ内にある ffmpeg.exe を見つける |
| 2. 作業フォルダの準備 | ffmpeg.exe を会議録画が入っているフォルダにコピーし、動画ファイルは meeting.mp4 のようなシンプルな名前にしておく |
| 3. ターミナルを開く | そのフォルダの何もない場所で Shift + 右クリックし、「PowerShell ウィンドウをここで開く」を選択 |
| 4. 抽出コマンドを実行 | コマンドを入力してEnterを押すと、数秒で音声ファイルが生成される |
.\ffmpeg -i meeting.mp4 -vn -c:a copy output.m4ameeting.mp4 の部分を実際の動画ファイル名に置き換えてください。Enterキーを押すと、まもなくフォルダ内に軽量な output.m4a という音声ファイルが生成されます。
ffmpeg コマンドが見つからないと表示される場合、システムの環境変数に登録されていないことがほとんどです。上記のように ffmpeg.exe を作業フォルダに直接置き、.\ffmpeg の形で呼び出す方法なら、この設定作業を省略できます。NotebookLMへの取り込み
音声ファイルが準備できたら、あとは次の流れです。
- NotebookLMを開き、新しいノートブックを作成する
- 「ソースを追加」から、先ほど生成した
output.m4aをアップロードする - アップロード完了後、システムが自動で音声をテキスト化し、インデックスを作成する
- あとは「今回の会議で決まった主な事項は何ですか」「〇〇さんが会議で割り振ったタスクを教えてください」といった形で、直接質問できる
コマンドラインを使いたくない場合
コマンドラインに抵抗があっても、手元に編集ソフトが入っていれば同じことができます。たとえば無料でオープンソースのVLCメディアプレーヤーには変換機能が標準で付いています。「メディア→変換/保存」を開き、動画ファイルを追加して、プロファイルで「Audio – MP3」を選び、保存先を指定すれば書き出せます。CapCutのような編集ソフトでも、書き出し設定で映像を外し、音声だけを残すことができます。
まとめ
会議の録画をAIツールで振り返ろうとするとき、実際にネックになるのは内容の複雑さよりも、ファイルの大きさであることが多いものです。音声だけを取り出すのは、この制限を回避する最も直接的な方法です。発言内容を損なうことなく、処理も速く、機密性の高い会議内容を出所不明のサイトに預ける必要もありません。コマンドラインに慣れているならFFmpegで数秒、慣れていないならVLCや編集ソフトのGUIでも同じ結果が得られます。



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